確定申告の基礎知識
●確定申告とは
●青色申告とは
●年度別税制改正ポイント
●e-taxとは
タイプ別ケーススタディ
困ったときの申告用語集
税率計算を楽にするには

 

確定申告用語解説

→ あ行 → か行 → さ行 → た行 → な行 → は行 → ま行・や行・ら行


困ったときの確定申告用語集-さ行

事業所得 小売卸売業、製造業、医師、農業、漁業などの事業から生ずる所得です。アパート経営業など不動産を貸し付けた場合は不動産所得、山林を譲渡した場合の所得は山林所得として扱われ、事業所得からは除かれます。
事業所得の所得金額は、総収入金額から必要経費を引いて求めます。
事業税 事業税とは物品販売業、製造業、水産業、医業等を営む事業者に対し、その事業を営む事務所・事業所の所在する都道府県が課す税金のことです。事業税も住民税と同じく賦課課税方式が取られているため、納税者自身が申告するものではなく、都道府県において税額を計算し納税者に通知する方法をとります。納税者は、その通知書にしたがって納付することになります。
事業専従者給与 事業専従者に対する給与のことをいい、事業専従者は下記のすべてに該当する人をいいます。
確定申告する人と生計を一にする配偶者等の親族であること
その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること
その年を通じて6ヶ月以上確定申告する人の営む事業に専ら従事していること
また、事業専従者となる人は控除対象配偶者や扶養控除の対象から除かれます
事業専従者控除額 白色申告者が営む不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業に従事する事業専従者がいるときは、各事業専従者につき、下記の金額のうちいずれか低い金額を、事業専従者控除額として必要経費に算入することができます。
イ.その申告者の配偶者  860,000円
ロ.上記以外の事業専従者  500,000円
( 不動産所得・事業所得又は山林所得の金額)÷(事業専従者の数+1)
支払調書 利子等、配当等、報酬、料金、その他の一定の支払をする者は、その支払の確定した日から1月以内または翌年の1月31日までに、その支払者の氏名または名称、支払を受ける者の氏名または名称等、その他の事項を記載した支払調書を税務署に提出しなければなりません。
《支払調書の例》
● 利子等の支払調書
● 配当、剰余金の分配及び基金利息の支払調書
● 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
● 株式等の譲渡の対価の支払調書
● 不動産の使用料等の支払調書
● 不動産の譲受けの対価の支払調書
住民税 住民税とは、居住する都道府県や市区町村に対して納める税金のことです。住民税は賦課課税方式が採用されているため、原則として納税者自身が申告をして納税するものではありません。したがって、市区町村長が税額を計算し、納税者に通知します。納税者は、その通知書にしたがって納税することになります。
所得税の確定申告をした人は、その確定申告書をもとに区市町村が納税額を決定します。また、会社員の方は会社が各市区町村に報告をして納税額を決定することになります。
取得費 譲渡所得の金額の計算上資産の取得費は、下記の区分にしたがった金額になります。
注意点は、事業所得の計算上必要経費にされるものについては譲渡所得の取得費に含めることはできないということです。
購入資産
● 購入代金の他、引き取り運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税、搬入費等
● 自己が建設、製造又は製作したものは、建設等のために要した原材料費、労務費、経費
● 資産の取得のために借り入れた借入金の利子のうち、その借入の日からその資産の使用開始の日まで、又は使用しないで譲渡した場合の譲渡の日までの期間に対応する部分の金額(事業所得の金額の計算上必要経費になるものを除く)
● 資産の取得に伴い納付する登録免許税、不動産取得税等
株式等
● 払込によって取得したもの……その払い込んだ金額
● 発行法人から与えられた株式等を取得する権利の行使により取得したもの……権利の行使日における通常の価額
● 購入したもの……その購入の対価(購入手数料等の購入費用を加算した金額)
● 前記以外の方法で取得したものは、取得の際にその有価証券の取得のために通常要する価額
(注)ストック・オプション制度により取得した特定株式の取得価額は、その行使の際の時価ではなく、払込によって取得したものと同様に、実際の払込価額によります。
社会保険料控除 健康保険、厚生年金、国民年金保険料を支払った場合に受けられる所得控除です。生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合にも受けることができます。控除できる金額は、その年に実際に支払った金額又は給与から差し引かれた金額の全額です。社会保険料には次のものがあります。
健康保険、雇用保険、国民年金、厚生年金保険及び船員保険の保険料
国民健康保険の保険料または国民健康保険税
介護保険法の規定による介護保険料
国民年金基金の掛金
厚生年金基金の掛金
労働者災害補償保険の特別加入者として負担する保険料
国家公務員共済組合、地方公務員等共済組合、私立学校教職員共済、国家公務員互助年金、恩給法等の規定による掛金、納付金又は納金、他

平成17年度分より、国民年金と国民年金基金の掛金に係る社会保険料の控除を受ける際には、証明書を添付することが必要となりました。
重加算税 重加算税は数ある加算税の中で最も重いもので、所得金額や所得税額等の計算の基礎となるべき事実の全部または一部を隠ぺいしまたは仮装して申告(期限内申告・期限後申告)をした場合、又は申告書を提出しないことにより修正申告をした場合には、過少申告加算税に代えて重加算税が賦課されます。過少申告加算税となるべき税額に対しては35%、無申告加算税を課される場合には40%の税率で加算されます。
修正申告 確定申告書をした後で申告内容や所得・税額の計算に間違いがあった場合には訂正しなければなりません。間違いがあった場合に訂正した結果が、最初に提出した確定申告書に記載された税額よりも納税額が増えてしまった場合、又は還付額が減ってしまった場合には、修正申告書を提出しなければなりません。
住宅借入金等 住宅借入金等とは住宅の用に供する家屋の新築もしくは取得、又はその家屋の敷地の用に供される土地等の取得に要する資金に当てるために、金融機関又は住宅金融公庫からの借入金で、契約において返済期間が10年以上のものをいいます。
出国した場合の確定申告 日本の国内に居住する人が、1年以上の予定で海外に出国したり、会社員が1年以上の予定で海外勤務をしたりする場合には、その人は非居住者となりますので、出国までにその年の所得について課税関係を終了しなければなりません。会社員の場合は、会社で手続きを行います。これは、年末調整と同じ手続きになります。また、会社員でない人の場合は、出国までに確定申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。
準確定申告 確定申告すべき人が年の途中で死亡した場合は、準確定申告という手続きをしなければなりません。手続きは、その相続人が1月1日から死亡した日までの所得を計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内に申告と納税をしなければなりません。
原則的には通常の確定申告書と同じです。注意点は、確定申告をしなければならない人が翌年の1月1日から確定申告期限(原則として翌年3月15日)までの間に確定申告書を提出しないで死亡した場合、準確定申告の期限は前年分、本年分とも相続の開始があったことを知った日の翌月から4ヶ月以内に申告書を提出しなければならないことです。
また、相続人が2人以上いる場合は、各相続人が連署により準確定申告書を提出することになります。ただし、他の相続人の氏名を付記して各人が別々に提出することもできます。この場合、他の相続人に申告した内容を通知しなければなりません。
準確定申告における所得控除で医療費控除の対象となるのは、死亡の日までに支払った額です。死亡したときに入院していて、その入院費を死亡後に支払っても含めることはできません。社会保険料、生命保険料、損害保険料控除の対象となるのは、死亡の日までに支払った額です。配偶者控除や扶養控除に該当するかの判断は、死亡の日の現況により行います。この準確定申告書には、各相続人の氏名、住所、被相続人との続柄などを記入した準確定申告書の付表を添付し、被相続人の死亡当時の納税地の税務署に提出します。
少額減価償却資産 不動産所得、事業所得、雑所得又は山林所得を生ずべき業務の用に供した減価償却資産で、使用可能期間が1年未満のもの又は取得価額が10万円未満(平成10年分以前は20万円未満)のものは、減価償却資産としないでその取得価額の金額を、その業務の用に供した日の属する年分の必要経費に算入します。
消費税の取扱いについては、税抜経理方式・税込経理方式に応じて算出された取得価額が10万円未満かどうかにより判定されます。
少額減価償却資産の損金算入特例 青色申告書を提出する個人事業者が、取得価額が30万円未満である減価償却資産を令取得して事業の用に供した場合、その事業の用に供した日を含む年分において取得価額の全額を必要経費としたときは、その金額は必要経費の額に算入されます。また、平成18年4月1日からは、10万円以上30万円未満の少額減価償却資産のその年の取得価額の合計額が300万円を超える場合には、その超える部分に係る減価償却資産についてはこの特例を適用できません(業務を開始した日の属する年又は業務を廃止した日の属する年の場合には、300万円を12で割ってその年に業務を営んでいた期間の月数をかけて計算した金額)。
償却可能限度額 減価償却資産は減価償却という方法で経費化していきますが、取得価額全額を経費化することはできませんでした。しかし、平成19年4月1日以降に取得する減価償却資産については1円まで償却することができるようになったため償却可能限度額という考え方はなくなりました。
小規模事業者 小規模事業者とは、前々年分の不動産所得の金額及び事業所得の金額の合計額が300万円以下の者をいいます。なお、ここでいう所得の金額は、青色事業専従者給与又は事業専従者控除を必要経費に算入する前の金額になります。青色申告書を提出する小規模事業者については、発生主義ではなく現金主義により所得金額を計算できる特例が認められています。
消費税の簡易課税 消費税は、酒税やガソリン税のように特定の物品やサービスに課税するものとは異なり、誰にでも広く公平に負担を求める間接税です。平成17年においては消費税の改正があり、消費税の納税義務者が増えることになりました。
消費税の納税義務者は消費税の申告をしなければなりませんが、消費税の計算方法には一般課税と簡易課税の2種類があります。一般課税とは収入金額(売上金額)のうち、預った消費税額より経費支出のうち払った消費税額を差し引いて、消費税の納税額を計算する方法です。もうひとつの方法は、簡易課税とよばれる方法です。
一般課税による消費税の計算は取引すべてにおいて消費税の金額を把握しなければならないので手間が大変かかることを考慮し、簡易的に消費税の納税額を計算する方法です。
簡易課税では消費税の納税額を計算する際、収入金額のみを基準として計算します。ただし、この簡易課税の申告方法を選択できるのは、基準期間における課税売上高が5,000万円以下の事業者に限られます。
また、一般課税においては実際に支払った消費税額を計算しますが、簡易課税においては概算で支払った消費税額を計算します。その概算額をみなし仕入率といい、営む事業の種類によって下記に分類されます。
●みなし仕入率
第1種事業(卸売業)90%
第2種事業(小売業)80%
第3種事業(製造業等)70%
第4種事業(その他の事業)60%
第5種事業(サービス業等)50%
第6種事業(不動産業) 40%
消費税の対価の返還等 売上に係る対価の返還等
消費税の計算において売上に係る対価の返還等とは下記のものをいいます。
●売上返品
●売上値引き
●売上割戻し
●売上割引
仕入に係る対価の返還等
消費税の計算において仕入に係る対価の返還等とは下記のも
のをいいます。
●仕入返品
●仕入値引き
●仕入割戻し
●仕入割引
消費税の輸出免税 事業者が日本国内で商品を販売したりサービスを提供した場合には、5%の消費税がかかります。しかし、販売が輸出取引に当たる場合には、消費税が免除されます。これが輸出免税です。消費税はあくまで日本国内での消費に対して課される税金のため外国で消費されるものには課税せず免税の取扱いになります。
《輸出免税の例》
●日本から輸出する資産の譲渡又は貸付
●外国貨物の譲渡又は貸付
●国際電話や国際通信
●日本から国外への旅客、貨物の輸送など
消費税の課税売上割合 課税売上割合とは、消費税の仕入税額控除を計算する際に用いる割合で、課税売上割合が95%以上の場合には、1年間に支払った仕入に係る消費税額を全額控除することができますが、課税売上割合が95%未満である場合には1年間に支払った仕入に係る消費税額のうち課税売上割合を乗じた部分のみ控除することができます。
審査請求 税務署長等に対する異議申し立てについての決定に対して不服がある場合には、異議決定書の謄本の送達があった日の翌日から1月以内に国税不服審判所長に対して審査請求をすることができます。なお、青色申告者にかかる更正に不服がある場合には、異議申し立てをしないで審査請求をすることができます。
申告納税方式 納税者が、自ら税法にしたがって所得金額や税額を計算し、申告・納税することを「申告納税方式」といいます。所得税・相続税・贈与税・法人税等が申告納税方式です。
所得の区分 所得税では、その性格によって所得を次の10種類に区分しています。
利子所得
預貯金や公社債の利子並びに合同運用信託、公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託の収益の分配に係る所得をいいます。
配当所得
株主や出資者が法人から受ける配当や公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託以外の投資信託及び特定目的信託の収益の分配などに係る所得をいいます。
事業所得
商工業者、農漁業者、医師、弁護士、俳優、競馬騎手などのように、事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得をいいます。
不動産所得
土地や建物などの不動産の貸付け、地上権などの不動産に設定されている権利の貸付け、船舶や航空機の貸付けなどによる所得をいいます。
給与所得
給与所得者などが勤務先から受ける給与、賞与などの所得をいいます。
退職所得
退職により勤務先から受ける退職手当や一時恩給などの所得をいいます。
譲渡所得
土地、建物、ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによって生ずる所得をいいます。
山林所得
山林を伐採して譲渡したり、立木のままで譲渡することによって生ずる所得をいいます。ただし、山林を取得してから5年以内に伐採又は譲渡した場合には、山林所得ではなく、事業所又は雑所得になります。
一時所得
営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外のもので、労使や役務の対価でもなく、さらに資産の譲渡による対価でもない一時的な性質の所得をいいます。
(例)
●懸賞や福引の賞金品、競馬や競輪の払戻金
●生命保険の一時金や損保保険の満期返戻金
●法人から贈与された金品
雑所得
年金や恩給などの公的年金等、非営業用貸金の利子、著述家や作家以外の人が受ける原稿料や印税、講演料などのように、他の9種類の所得のいずれにも当たらない所得のことをいいます。
白色申告 所得税の確定申告書は、青色申告と白色申告の2種類があります。所得税は、納税者が自ら税法にしたがって所得と税額を正しく計算し、納税するという申告納税制度を採用しています。1年間に生じた所得を正しく計算するためには、収入金額や必要経費に関する取引の状況をもれなく記帳し、また、取引に伴う書類(請求書・納品書等)を保存しておく必要があります。
青色申告者については、一定の要件を備えた帳簿を備え付け、記録し、書類を保存するよう定められています。しかし、青色申告者でない白色申告者に対しても、記帳制度や記録保存制度が設けられています。
なお、事業者所得等を有する白色申告の人については、簡易な方法による記帳が認められています。記帳する必要のある人とは、不動産所得、事業所得又は山林所得のある全ての人です。
記帳する事項は、売上などの総収入金額と仕入などの必要経費に関する事項です。
例えば、売上に関する事項の記載内容は、取引の年月日、売上先その他の相手方、金額、日々の売上の合計金額です。記帳は、所得金額が正確に計算できるよう、整然かつ明瞭にする必要があります。
帳簿や書類を5年間又は7年間、納税者の住所地や事業所などの所在地に整理して保存する必要があります。
申告分離課税 所得税は、その人の1年間の所得の総額を計算して所得税額を計算することが原則ですが、所得の種類によっては一括して加算するのではなく、別に加算し税額を計算するものがあります。これを申告分離課税と呼びますが、この申告分離課税の方法で申告する所得は、山林所得、土地建物の譲渡による譲渡所得、株式等の譲渡所得等、先物取引による所得などです。
親族 親族の範囲は、6親等内の血族・配偶者・3親等内の姻族と定められています。リンク先の親族図を参考にしてください。<親族図(別ウィンドウが開きます)>
税額控除 税額控除には配当を受けたときの二重課税を調整する配当控除、金融機関から借入をしてマイホームを取得した場合に適用できる住宅借入金等特別控除、政党等に寄付をした場合に適用となる政党等寄付金特別控除などがありますが、これらの控除額は所得金額の合計額から所得控除額を差し引いた課税所得金額に税率を乗じて計算した所得税額から直接控除することになります。そのため、控除金額が納税額を減らすことになります。
生計を一にする 日常生活の資を共にすることをいいます。原則として、同一の家に起居している人を前提とします。また、仕事や勤務の都合上や学校・就学の都合上別居している場合であっても、余暇には起居を共にすることを常例としている場合や、常に生活費、学資金、医療費等を送金している場合には、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。なお、親族が同一の家屋に起居している場合には、「生計を一にする」ものとして取り扱われますが、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合は、別生計として取り扱われます。
税込経理方式 消費税の課税事業者となる個人事業者が所得の金額を計算する際に消費税の額と取引の対価の金額とを区分しないで経理する方式のことをいいます。
税抜経理方式 消費税の課税事業者となる個人事業者が、所得の金額を計算する際に消費税の額と取引の対価の金額とを区分して経理する方式のことをいいます。
(例)
●税込経理方式
税込88,000円のパソコン……88,000円全額を必要経費として処理。
●税抜経理方式
税込88,000円のパソコン……80,000円を必要経費、8,000円を消費税額として処理。
生命保険料控除 一般の生命保険料や介護医療保険料、個人年金保険料を支払った場合、一定の金額は生命保険料控除として所得控除を受けることができます。控除額は最高で一般の生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料のそれぞれで4万円が(平成23年12月31日以前に締結した、1日生命保険料と1日個人年金保険料については、それぞれ5万円)限度額となります。保険料控除の対象となる保険は保険金などの受取人が自分か又はその配偶者、その他の親族とする生命保険契約等の保険料や掛金です。この場合の生命保険契約等とは、郵便局の簡易保険や生命保険会社と契約したものなどで、このうち保険期間が5年未満で一定のものは除かれます。
総合課税 所得税は、その人の1年間の所得の総額を計算して所得税額を計算することが原則です。所得金額次のからまでの各所得を合算して所得金額の合計額を算出しなければなりません。
所得税には、総合課税のほか源泉分離課税や申告分離課税という課税方法もありますが、次に掲げる所得については、合計して所得税の金額の基礎とします。
利子所得
配当所得
事業所得(株式等の譲渡等による事業所得を除く)
不動産所得
給与所得
譲渡所得(土地・建物等及び株式等の譲渡等による譲渡所得を除く)
一時所得
雑所得
したがって、総合課税とは上記の8つの所得を合算して、その金額に対応する税率を乗じて所得税額を計算する方法をいいます。
贈与税 贈与税とは、個人が1月1日から12月31日までの1年間に個人から、現金や財産をもらった場合にかかる税金です。贈与税には暦年課税と相続時精算課税の2種類があります。暦年課税の贈与税額は1年間にもらった財産の価額の合計額から基礎控除額110万円を差引いた金額に税率を乗じて計算します。1年間にもらった財産の合計額が110万円を超えた場合であっても、夫婦間で居住用不動産又は居住用不動産の取得資金の贈与を受け、贈与税の配偶者控除の適用を受ける場合には贈与税はかかりません。相続時精算課税の贈与税額は、1年間にもらった財産の価額の合計額から特別控除額2,500万円を差引いた金額に税率を乗じて計算します。ただし、相続時精算課税の贈与者は60歳以上の親又は祖父母、受贈者は贈与者の推定相続人である20歳以上の子又は20歳以上の孫(代襲相続人を含みます)になります(年齢は贈与の 年の1月1日現在のもの)。
《贈与税の税率》
暦年課税の場合
一般贈与
暦年課税の場合

特例贈与
※20歳(令和4年4月1日以後は18歳以上)の者が直系尊属より受ける贈与
暦年課税の場合

相続時精算課税の場合・・・一律20%
損益通算

確定申告では個人の1年間の所得を合計して所得税を計算しますが、1人で何種類かの所得がある場合もあります。所得金額の計算は原則総合課税によりますので、ある所得では黒字が発生し、ある所得では赤字になる場合も考えられます。この黒字と赤字の所得を通算することができますが、それを損益通算といいます。損益通算には、一定のルールがあります。

●損益通算のルール
損益通算できる損失を計上できる所得……不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得(一定のものに限る)
損益通算は総合課税だけでなく、分離課税の所得も対象となります
損益通算できない所得……配当所得・一時所得・雑所得・給与所得・譲渡所得・生活に通常必要でない資産について生じた損失・不動産所得の計算上生じた損失のうち、土地等を取得するために要した利息部分

●損益通算の順序
所得を次の4つのグループに分ける。

  • 第一グループ・・・利子・配当・不動産・ 事業・給与・雑所得
  • 第二グループ・・・譲渡所得・一時所得
  • 第三グループ・・・山林所得
  • 第四グループ・・・退職所得

この4つのグループの中でまず損益通算をします。
1 第一グループ又は第二グループで赤字がまだ残っている場合は第一グループと第二グループで損益通算をします
2 の通算後まだ赤字が残っている場合はその赤字分と第三グループとを損益通算します
3 の通算後まだ赤字が残っている場合はその赤字分と第四グループとを損益通算します
詳しくは確定申告の基礎知識を参照してください。

税率計算を楽にするには